2021.12.31

Plant Doctorエゾウコギの植物学と栽培

当協会理事

木村正典

今回は、エゾウコギの特徴や栽培方法などを、植物学の視点で解説します。
エゾウコギの花の蜜を吸うクロアゲハ

分類・名称

分類

エゾウコギ(Eleutherococcus senticosus (Rupr. & Maxim.) Maxim)はウコギ科(Araliaceae)ウコギ(エレウテロコックス)属(Eleutherococcus)に属する落葉低木です。
 
Eleutherococcusという属名は、かつてはウコギ属ではなくエゾウコギ属に充てられ、その当時のウコギ属はAcanthopanaxであり、ウコギ属とエゾウコギ属とは別属に分類されていました。

その後、エゾウコギ属をウコギ属Acanthopanaxに含める分類が発表されましたが、Eleutherococcusという属名がAcanthopanaxよりも早く命名されていることから、ウコギ属の属名としてはEleutherococcusを用いるべきとする考えが定着しました。

現在、World Flora Online(※1)ではAcanthopanaxEleutherococcus(ウコギ属)のシノニムとされ、消滅しています。一方で、日本を含む東アジアではエゾウコギを含むウコギ属の学名としてAcanthopanaxが長く用いられてきたことから、日本の図鑑では今でもこの属名を採用しているものが多く見られます。

ウコギ科のなかま

ウコギ科は40属1,533種からなります(※1)。エゾウコギやオタネニンジン、アメリカニンジン、ハリギリ、チドメグサなどの薬用植物のほか、ウドやタラノキ、コシアブラ、タカノツメ、オカウコギ、ヤマウコギ、ハリギリなどの山菜、ヤツデやヘデラ(キヅタ)、シェフレラ(カポック)などの観賞植物を含み、木本から大型草本、つる性など様々な形態が見られ、熱帯を中心に世界中に分布しています(表2)。

ウコギ科で最大の属は、シュフレラやブラッサイアの属するシェフレラ属で、591種とウコギ科の1/3以上を占めています(※1)。

エゾウコギはエレウテロコックス(ウコギ)属(37種)、オタネニンジンやアメリカニンジンはパナックス(トチバニンジン)属(12種)、ウドやタラノキはアラリア(タラノキ)属(74種)で、エゾウコギとオタネニンジンとでは属が異なります。

ウコギ(エレウテロコックス)属のなかま

ウコギ属の37種はいずれも東アジアに分布し、日本にはヤマウコギやオカウコギ、ウラジロウコギ、ウラゲウコギ、ヒゴウコギといった固有種のほか、日本を含む東アジア原産のエゾウコギやケヤマウコギ、中国原産で平安以前に渡来して帰化したヒメウコギが自生しています(表1)。

こられのうち、エゾウコギやヤマウコギ、ヒメウコギなどの根皮が薬用とされます。

また、中国にも五加ゴカをはじめとして中薬利用されるものが多く存在します。ヒメウコギは斑入りなどの園芸品種もあり、ウコギの名で庭木として栽培されています。

(※1)World Flora Online:The Plant Listを引き継ぐかたちで、ミズーリ植物園、ニューヨーク植物園、王立植物園エジンバラ、王立植物園キューの4植物園によって2012年に立ち上げられ、2020年から公開されている植物リストのオープンアクセスデータベース。

名称

エゾウコギの属名のEleutherococcus(エレウテロコックス)は、ギリシャ語で「free」を意味する「eleuthero」と「berry」や「seed」を意味する「coccus」の合成語です。

種小名のsenticosus(センティコスス)はラテン語で「刺の密生した」の意であり、別名のハリウコギ(針五加木)や中国名の刺五加シゴカとともに、茎に刺の多いことに由来します。
和名のエゾウコギ(蝦夷五加木、蝦夷五加)と別名のシベリアニンジン(西比利亜人参)は自生地名に由来します。

なお、シベリアニンジンの「ニンジン(人参)」やシベリアンジンセンの「ジンセン(ginseng)」は同科別属のオタネニンジン(御種人参、ginseng)に効能の似ていることによります。

ただし、英名では、Siberian ginsengがパナックス属のginsengと混同する可能性があるとして用いられなくなり、現在ではeleutheroやSiberian eleutheroなどと呼ばれています。

人とのかかわりの歴史

エゾウコギは中国では、五加ゴカとともに、古くから中薬利用されてきました。五加は中国最古の本草書である『神農本草経』(200頃までに成立か)に、刺五加シゴカ(エゾウコギ)は『本草綱目』(1578)に掲載が見られます。

旧ソビエト連邦では、1960年頃に疲労回復や抵抗力増強などの有効性が確認され、1962年には強壮剤として医薬品承認されました。1966年には宇宙飛行士が利用し、1980年のモスクワ五輪では選手団強化に利用されたことから、世界中の注目を集めました。

現在、欧州医薬品庁(EMA)では倦怠感や脱力感などの無力症治療に処方が推奨されています。

日本には7種のウコギ属植物が自生していますが、いずれも新芽の山菜利用が主でした。江戸時代に米沢藩では飢饉に備えてヒメウコギを生垣にするよう奨励し、のちに救荒植物をまとめた『かてもの』を出版して飢饉を乗り越えてきました。

アイヌ語ではエゾウコギを「ニタッソコニ」といい、美幌では疫病流行の際にこの木で作った杖を持ち歩くと伝えられていますが、そのほかの利用については不明です。

北海道開拓民は刺だらけのエゾウコギを「ヘビノボラズ」「トリトマラズ」と呼んで厄介者扱いしたようです。その後、2006年の薬局方改正から「シゴカ(刺五加)」の名で収載されています。

現在ではサプリメントなどに加工されるほか、茎葉(特に樹皮)を乾燥させて煎剤としたり、根を蒸留酒に漬けて薬用酒としたりします。このほか、ほかのウコギ科植物同様、新芽を山菜として利用します。

中薬利用

中薬では、エゾウコギ(刺五加シゴカ)の根皮を「五加皮ゴカヒ」、葉を「五加葉ゴカヨウ」と呼びます。
五加皮と五加葉には、一般には五加ゴカEleutherococcus nodiflorus (Dunn) S.Y.Hu.)の根皮と葉を用いますが、地域によって、エゾウコギのほか、糙葉五加ソウヨウゴカE. henryi Oliv.)や無梗五加ムコウゴカ(マンシュウウコギ;E.sessiliflorus (Rupr. & Maxim.) S.Y.Hu)、輪傘五加リンサンゴカE. verticillatus (G.Hoo) H.Ohashi)も同じ名称で同様に用いられます。

また、藤五加トウゴカE. leucorrhizus Oliv.)と蜀五加ショクゴカE. setchuenensis (Harms ex Diels) Nakai)の根皮も五加皮と呼んで同様に用いられます。五加皮には風湿を去り、筋骨を壮んにし、血を活かし瘀を去る効能のあることから、風寒湿痺や筋骨の痙攣、腰痛、脚弱、浮腫、脚気、打撲労傷などに用いられます。

また五加葉は野菜として食べて皮膚痛を治したり、打撲に塗布して腫痛を消したりするのに用いられます。そのほかのウコギ属植物では、紅毛五加コウモウゴカE. giraldii (Harms) Nakai.)の樹皮を「紅毛五加皮コウモウゴカヒ」と呼び、風湿を去り、関節を通し、筋骨を強める効能のあることから、痙攣による疼風やしびれ、風寒湿痺、皮膚風湿などに用います。

また、白竻ハクロクE. trifoliatus (L.) S.Y.Hu)の根あるいは根皮を「刺三甲シサンコウ」と呼び、清熱し解毒する、風邪を去り湿を利す、筋肉をのばし血を活かす効能のあることから、感冒高熱や咳痰帯血、リウマチ性関節炎、黄疸、白帯、尿路結石、打撲傷などに用いるほか、幼枝葉を「白竻薳ハクロクイ」と呼び、癰腫や疔瘡、疥癩、創傷、胃痛などに用います。

形態・成分

セリ目に属するウコギ科では精油を油管に含有し、特有の香りをもつものが多いなどセリ科との共通点が見られます。ウコギ属には落葉樹(まれに常緑)で、雌雄異株(まれに同株)、幹に細い刺があり、葉は互生(短枝には束生)し、掌状複葉で小葉5枚(まれに3枚)などの共通点が見られます。

エゾウコギは樹高2m程度で、場合によっては6 mにも達します。新梢に刺は少なく、2年目以降の木化した細い茎が細い棘で密に覆われる特徴があります。


刺は下向きに着生し、葉の付け根の節の部分だけが上向きに着生しています。茎が細いことからも、下向きの刺の着生は、ほかのものに絡まって登攀する戦略と思われます。
葉の背軸面(裏面)の葉脈には毛が密生しています。
花は茎の先端に着生する球形の散形花序で夏に開花します。花冠は白っぽい淡黄緑色を呈しています。
果実は液果で、球形に近い楕円形を呈し秋に黒熟します。一つの果実に種子を5~6粒含有しています。
 
成分として、
①根にエレウテロサイドEとBを同程度の量含有することや、
②樹皮にエレウテロサイドEを根の1/3以下、エレウテロサイドBを根の3倍以上含有し、プロトカテク酸を根の1.6倍含有すること、
③葉にはこれら3成分が検出されず、ルチンやハイペロサイドを含有すること、
④全草にクロロゲン酸やロスマリン酸、フェルラ酸、プロトカテク酸を含有することなどが報告されています。

オタネニンジンやアメリカニンジンとは含有する成分が異なりますが、同様にストレスに対する高い適応力を有することからどちらもアダプトゲン(adaptogen)に分類され、抗ストレスや抗炎症、抗腫瘍、抗疲労、感染症予防、運動能力向上、集中力向上、睡眠改善など、多くの作用が報告されています。

性状と栽培

東アジアの亜寒帯原産で、ロシアのアムール州、サハリン州、中国の北東部や、日本の北海道東部の十勝、網走支庁内の林地に自生しており、寒さに強く、暑さに弱い性質があります。東京都薬用植物園では、冷房装置のあるガラス室で育てられています。

繁殖は種子繁殖と挿し木や根挿しなどの栄養繁殖で行われます。
種子繁殖の場合、秋に採種してとり播きしても種子は未熟で発芽能力が低く、後熟するのに1年以上を要します。

1年経った種子を秋播きすることで冬の低温に遭遇して休眠打破され、発芽率が向上して翌春に発芽します。
挿し木は7月中旬にその年伸びた緑枝を挿すのが一般的ですが、エゾウコギの場合は前年伸長した木化枝を春先に採取して雪中で低温貯蔵し、桜の咲く頃に挿し木する方法もあります。

根挿しは春に根株を堀採り、太い根を切り分けて埋め込みます。収穫は植付けから4~6年を要します。

アレロパシーによる連作障害のためか、1~2年に一度、新しい土に植え替えることで早く成長すると言われています。もともと生育適地が限られている上に生育に時間のかかることから、自生しているものが乱獲されないよう、栽培技術や産地の確立が望まれます。

黒熟したエゾウコギの果実
エゾウコギの芽生え。木化した茎に下向きの刺が密生している。葉の付け根の節の部分だけ刺が上向きに着生。
エゾウコギの根。全ての根を収穫せず、
親株を残して一部の根を収穫し、一部は根挿しで殖やそう

エゾウコギの花の蜜を吸うクロアゲハ
黒熟したエゾウコギの果実
エゾウコギの芽生え。木化した茎に下向きの刺が密生している。葉の付け根の節の部分だけ刺が上向きに着生。
エゾウコギの根。全ての根を収穫せず、親株を残して一部の根を収穫し、一部は根挿しで殖やそう

表1.Eleutherococcus(エレウテロコックス属、ウコギ属)の主要な植物。 

学名はWorld Flora Onlineに従った

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus divaricatus (Siebold & Zucc.) S.Y.Hu エレウテロコックス・ディワリカトゥス[広く分岐した]〔Acanthopanax divaricatus (Siebold & Zucc.) Seem.〕
一般名 ケヤマウコギ(毛山五加木)、オニウコギ(鬼五加木)、オオウコギ(大五加木)
特徴・利用 
日本、朝鮮原産。北海道~九州に自生。落葉低木。樹高3 m。葉の背軸面や新梢に毛が密生。枝に棘がある。掌状複葉で小葉は3~5枚。果実は黒熟。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus giraldii (Harms) Nakai. エレウテロコックス・ギラルディイ [イタリア人宣教師で陝西省の植物収集家Padre Giuseppe Giraldiへの献名]〔Acanthopanax giraldii Harms〕
一般名 紅毛五加(コウモウゴカ)
特徴・利用 
中国中央部原産。落葉低木。樹高3 m。枝は剛毛状の針刺で密に覆われる。掌状複葉で小葉は5枚が基本。『中薬大辞典』には、樹皮を「紅毛五加皮(コウモウゴカヒ)」と呼び、風湿を去り、関節を通し、筋骨を強める効能のあることから、痙攣による疼風やしびれ、風寒湿痺、皮膚風湿などに用いると記載。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus henryi Oliv. エレウテロコックス・ヘンリイ [中国植物研究家Augustine Henryへの献名]〔Acanthopanax henryi (Oliv.) Harms〕
一般名 糙葉五加(ソウヨウゴカ)
特徴・利用 
中国中央部原産。木本。樹高3 m。五加同様、根皮を「五加皮」、
葉を「五加葉」と呼び、中薬に用いられる。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus higoensis (Hatus.) H.Ohba
エレウテロコックス・ヒゴエンシス [肥後の]〔Acanthopanax higoensis Hatus.〕
一般名 ヒゴウコギ(肥後五加木)
特徴・利用 
熊本県上福根山で発見されたこの地域の固有種。E.leucorrhizus Oliv.に似て無毛で棘がほとんどない。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus hypoleucus (Makino) Nakai
エレウテロコックス・ヒポレウクス [下面が白色の]
Acanthopanax hypoleucus Makino〕
一般名 ウラジロウコギ(裏白五加木)、ミヤマコシアブラ(深山漉油)
特徴・利用 
日本固有種。関東以西~九州の主として太平洋側の石灰岩地に自生。落葉低木。樹高3 m。エゾウコギに似るが小型で葉の背軸面が白色。果実は黒熟。新芽を山菜利用する。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus japonicus (Franch. & Sav.) Nakai
[エレウテロコックス・ヤポニクス [日本の]
Acanthopanax japonicus Franch. & Sav., Eleutherococcus spinosus var. japonicus (Franch. & Sav.) H.Ohba〕
一般名 オカウコギ(丘五加木)、マルバウコギ、(丸葉五加木)、ツクシウコギ(筑紫五加木)
特徴・利用 
日本固有種。福島以西~九州の丘陵地に自生。落葉低木。樹高1.5 m。棘は太く、掌状複葉で小葉は5枚、果実は黒熟するなど、形態的にはヤマウコギに似るが小型。ヤマウコギの変種とする解釈もある。樹皮や根皮を薬用にする。新芽を山菜として、完熟果を果実酒に、根を生薬に利用する。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus leucorrhizus Oliv.
エレウテロコックス・レウコルリズス [白い根の]〔Acanthopanax leucorrhizus (Oliv.) Harms〕
一般名 藤五加(トウゴカ)
特徴・利用 
中国中南部原産。木本。樹高4 m。刺はほとんど無い。葉は無毛で小葉5枚を基本とする複葉。陝西などでは、五加同様、根皮を 「五加皮」と呼んで中薬に用いられる。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus nikaianus (Koidz. ex Nakai) H.Ohashi エレウテロコックス・ニカイアヌス 〔Acanthopanax nikaianus Koidz. ex Nakai, Eleutherococcus spinosus var. nikaianus (Koidz. ex Nakai) H.Ohba〕
一般名 ウラゲウコギ(裏毛五加木)
特徴・利用 
日本固有種。近畿~九州に自生。落葉低木。樹高1.5 m。棘がある。掌状複葉で小葉は5枚。花は黄緑色。果実は黒熟。ヤマウコギの変種とする解釈もある。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus nodiflorus (Dunn) S.Y.Hu.
エレウテロコックス・ノディフロルス [節上に花を着ける]
Acanthopanax gracilistylus W.W.Sm., Eleutherococcus gracilistylus (W.W.Sm.) S.Y.Hu〕
一般名 五加(ゴカ)
特徴・利用 
中国東南部原産。落葉低木。樹高3 m。棘は葉柄基部に単生。掌状複葉で小葉は5枚。果実は黒熟。『中薬大辞典』には、根皮を「五加皮(ゴカヒ)」と呼び、風湿を去り、筋骨を壮んにし、血を活かし瘀を去る効能のあることから、風寒湿痺や筋骨の痙攣、腰痛、脚弱、浮腫、脚気、打撲労傷などに用いる。葉を「五加葉(ゴカヨウ)」と呼び、野菜として食べて皮膚痛を治したり、打撲に塗布して腫痛を消したりすると記載。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus senticosus (Rupr. & Maxim.) Maxim. エレウテロコックス・センティコスス [刺の密生した]〔Acanthopanax senticosus (Rupr. & Maxim.) Harms〕
一般名 エゾウコギ(蝦夷五加木)、
ハリウコギ(針五加木)、シベリアニンジン、シベリアンジンセン、eleuthero、刺五加(シゴカ)
特徴・利用 
東アジアの亜寒帯原産。北海道東部に自生。落葉低木。樹高2~最大6 m。細い棘が多く着く。掌状複葉で小葉は5枚。果実は黒熟。新芽を山菜にも利用できる。根皮を生薬として強壮や鎮痛に用いる。エレウテロサイドやイソフラキシジンなどを含有。アダプトゲンや免疫賦活などの作用が注目されている。五加同様、根皮を「五加皮」、葉を「五加葉」と呼び、中薬に用いられる。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus sessiliflorus (Rupr. & Maxim.) S.Y.Hu エレウテロコックス・セッシリフロルス [無柄花の] 〔Acanthopanax sessiliflorus (Rupr. & Maxim.) Seem.〕
一般名 マンシュウウコギ(満州五加木)、無梗五加(ムコウゴカ)
特徴・利用 
中国東北〜華北原産。木本。樹高4m。刺のあるものとないものがある。掌状複葉で小葉は3〜5枚。果実は黒熟。五加同様、根皮を「五加皮」、葉を「五加葉」と呼び、中薬に用いられる。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus setchuenensis (Harms ex Diels) Nakai エレウテロコックス・セトゥクエンシス
[支那四川省の] 〔Acanthopanax setchuenensis Harms ex Diels〕
一般名 蜀五加(ショクゴカ)
特徴・利用 
中国中央部原産。落葉低木。樹高3m。複葉で小葉は3枚でまれに5枚。果実は黒熟。陝西などでは、五加同様、根皮を「五加皮」と呼んで中薬に用いられる。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus sieboldianus (Makino) Koidz. 
エレウテロコックス・シエボルディアヌス 
[シーボルトへの献名]〔Acanthopanax sieboldianus Makino, Eleutherococcus pentaphyllus Nakai〕
一般名 ヒメウコギ(姫五加木)、ウコギ(五加木)
特徴・利用 
中国原産。落葉低木。樹高2m。棘がある。掌状複葉で小葉は5枚。果実は黒熟。新芽を山菜利用。根皮を五加皮と呼んで、強壮や鎮痛に生薬利用。米沢藩では「かてもの」(救荒植物)として生垣に推奨し、飢饉に備えた。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus spinosus (L.f.) S.Y.Hu 
エレウテロコックス・スピノスス[棘の多い]
Acanthopanax spinosus (L.f.) Miq.〕
一般名 ヤマウコギ(山五加木)、オニウコギ(鬼五加木)、ウコギ(五加木)
特徴・利用 
日本固有種。岩手以南~四国に自生。落葉低木。樹高4m。棘は扁平で細い。掌状複葉で小葉は5枚。果実は黒熟。新芽を山菜に、根皮を薬用に、茎の髄を灯心に利用。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus trichodon (Franch. & Sav.) H.Ohashi エレウテロコックス・トゥリコドン[有毛牙歯の、糸状の] 〔Acanthopanax trichodon Franch. & Sav.〕
一般名 ミヤマウコギ(深山五加木)
特徴・利用 
日本固有種。関東以西~四国に自生。落葉低木。樹高2m。棘がある。掌状複葉で小葉は5枚。果実は黒熟。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus trifoliatus (L.) S.Y.Hu 
エレウテロコックス・トゥリフォリアトゥス[3葉の]
〔Acanthopanax trifoliatus (L.) Voss〕
一般名 白竻(ハクロク、ビャクロク)
特徴・利用 
中国南部原産。木本。樹高7m。枝に刺があってよじ登る。複葉で小葉は3枚が基本。果実は黒熟。『中薬大辞典』には、根あるいは根皮を「刺三甲(シサンコウ)」と呼び、清熱し解毒する、風邪を去り湿を利す、筋肉をのばし血を活かす効能のあることから、感冒高熱や咳痰帯血、リウマチ性関節炎、黄疸、白帯、尿路結石、打撲傷などに用いる。また、幼枝葉を「白竻薳(ハクロクイ)」と呼び、癰腫や疔瘡、疥癩、創傷、胃痛などに用いると記載。

属名 Eleutherococcus (エレウテロコックス属、ウコギ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Eleutherococcus verticillatus (G.Hoo) H.Ohashi 
エレウテロコックス・ウェルティキッラトゥス
[輪生の] 〔Acanthopanax verticillatus G.Hoo〕
一般名 輪傘五加(リンサンゴカ)
特徴・利用 
チベット原産。木本。樹高3m。枝や葉柄基部に下向きの刺がある。掌状複葉で小葉は3〜5枚。果実は黒熟。五加同様、根皮を「五加皮」、葉を「五加葉」と呼び、中薬に用いられる。

表2.そのほかの主要なAraliaceae(ウコギ科)植物。 学名はWorld Flora Onlineに従った

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia bipinnata Blanco アラリア・ビピンアータ [2回羽状の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ウラジロタラノキ(裏白楤木)、台湾楤木
特徴・利用 
台湾~パプアニューギニア原産。木本。樹高7 m。南西諸島のタラノキは本種でタラノキ同様食用とする見解もある。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia californica S.Watson アラリア・カリフォルニーカ [カリフォルニアの]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  elk clover, California aralia, California spikenard, California ginseng, Western aralia, Western spikenard,
特徴・利用 
米国西海岸原産。カリフォルニア~オレゴン南西部に自生。落葉多年草。草丈3 m。アメリカンインディアンはリウマチや痛み、かゆみに根の煎剤を外用したり、風邪や発熱、咳、胃腸や肺の疾患に用いる。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia cordata Thunb. アラリア・コルダータ [心臓形の]〔Aralia edulis Siebold & Zucc.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ウド(独活)、udo, spikenard, Japanese spikenard, herbal aralia, mountain asparagus
特徴・利用 
東アジア原産。北海道~九州に自生。多年草。草丈2 m。新芽が山菜として山採りされるほか、ひと夏養成された根株を掘り取って軟化室で軟白させる軟白ウド(白ウド)や、培土やもみ殻で基部を軟白する山ウド(緑化ウド)などの形態で栽培、生産される。根は「独活(どくかつ)」、「土当帰(どとうき)」などと呼ばれ、生薬として、鎮痛や風邪などに用いられる。アイヌでは根を打ち身の湿布に外用する。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia elata (Miq.) Seem. アラリア・エラータ [背の高い]〔Aralia japonica Seem.〕 変種:Aralia elata var. ryukyuensis J.Wen〔Aralia ryukyuensis (J.Wen) T.Yamaz.〕(リュウキュウタラノキ)
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  タラノキ(楤木、桵木)、タラ(楤、桵)、タランボ、Japanese angelica tree, Korean angelica-tree
特徴・利用 
東アジア原産。日本各地に自生。落葉低木。樹高 5m。自生種はトゲが多いが、栽培にはトゲの少ない品種やない品種が用いられる。また、青芽系、赤芽系品種がある。新芽が山菜として山採りされるほか、挿し木の要領で栽培、生産される。樹皮や根皮が生薬として、胃腸障害や糖尿病、腎臓病などに用いられる。変種のリュウキュウタラノキ(琉球楤木)は南西諸島固有種で棘がない。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia glabra Matsum. アラリア・グラブラ [無毛の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ミヤマウド(深山独活)
特徴・利用 
日本固有種。本州中部~関東の山地に自生。多年草。草丈1.5 m。地域によって絶滅危惧種。ほとんど利用されていない。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia nudicaulis L. アラリア・ヌディカウリス [裸茎の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) wild sarsaparilla, false sarsaparilla, shot bush, small spikenard, sweet-root, Virginia-sarsaparilla, American-sarsaparilla, wild licorice, rabbit root 
特徴・利用 
北米中央部~東部原産。匍匐性の根茎から草丈60 cmの葉や花茎が立ち上がる多年生木本。根茎には香りがあり、アメリカンインディアンは非常食やティーのほか、サルサパリッラやサッサフラスの代用としてルートビアの原料などに用いた。また、強壮剤、傷、火傷として用いるほか、根を咳止めに用いた。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia racemosa L. アラリア・ラケモーサ [総状花序を着けた]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  American spikenard,small spikenard, Indian spikenard, Indian root, spice berry, spignet, life-of-man, petty morel, musk root
特徴・利用 
北米原産。多年草。草丈2 m。羽状複葉で小葉は2〜3枚。果実は黒熟。観賞用に供されるほか、新芽や果実を食用。根に芳香があり、サルサパリッラやサッサフラスの代用としてルートビアの原料。アメリカンインディアンはサルサパリッラの代用とするほか、根を発汗や鎮咳、強壮に、茎葉を肺疾患やリウマチに内服するほか、リウマチや皮膚疾患に外用。

属名 Aralia (アラリア属、タラノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Aralia spinosa L. アラリア・スピノーサ [トゲの多い]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  devil’s walking stick, Hercules’ club, Angelica tree, pigeon tree, shotbush, prickly elder, prickly ash
特徴・利用 
米国東南部原産。落葉低木。樹高3~6 m。トゲが多い。未熟果や樹皮、根にアラリンを含み、毒性は低いものの有毒。若葉は野菜として食べる。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax bipinnatifidus Seem. パナックス・ビピンナティフィドゥス[2回羽状中裂の]〔Aralia bipinnatifida (Seem.) C.B.Clarke, Panax japonicus var. bipinnatifidus (Seem.) C.Y.Wu & Feng, Panax major (Burkill) K.C.Ting ex C.Pei & Y.L.Chou, Panax pseudoginseng subsp. himalaicus H.Hara〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ウヨウサンシチニンジン(羽葉三七人参)、ヒマラヤニンジン
特徴・利用 
ネパール、インド北部、ミャンマー、タイ、ブータン、中国中南部に分布。本種をヒマラヤニンジンと称することがあるため、別種のヒマラヤニンジン(Panax pseudoginseng Wall.)との間に混乱が見られるので注意。また、インドシッキム地方には変種Panax bipinnatifidus var. angustifolius (Burkill) J.Wenが自生するが、形態的差異が少なく同種とする論文もみられる。ヒマラヤニンジンと共に、乳がんや胃がんの原因ともなるチロシンキナーゼ阻害物質の研究が行われている。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax ginseng C.A.Mey. パナックス・ギンセング[人蔘の支那名]〔Aralia ginseng (C.A.Mey.) Baill., Panax verus Oken〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  オタネニンジン(御種人蔘)、チョウセンニンジン(朝鮮人蔘)、コウライニンジン(高麗人蔘)、ニンジン(人蔘)、ジンセン、ginseng, Asian ginseng, Chinese ginseng, Korean ginseng
特徴・利用 
朝鮮、中国、ロシア沿岸原産。多年草。草丈60 cm。ニンジン(人参)は本来、本種を指し、セリ科のニンジンはセリニンジンと称した。「オタネニンジン」の名は江戸幕府が各藩に種子を配って栽培を奨励したことに由来。サムゲタンやインサムチャなどで食用にするほか、伝統的に胃腸虚弱や食欲不振、病後の回復、疲労回復、滋養強壮などに用いられる。ジンセノサイドなどのサポニンを2~3%含有し、ストレスに対する適応能力を高めるアダプトゲンとされる。良品の根を収穫するには5~6年を要する。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax japonicus (T.Nees) C.A.Mey. パナックス・ヤポニクス[日本の]〔Aralia japonica (T.Nees) Makino〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  トチバニンジン(栃葉人参)、チクセツニンジン(竹節人参)Japanese ginseng、竹節三七(チクセツサンシチ)
特徴・利用 
日本原産。北海道~九州に自生。落葉低木。草丈80 cm。掌状複葉で小葉は5枚。果実は赤熟する。「トチバニンジン」の名は葉がトチノキに似ていることに由来。根茎を生薬に。中薬では「竹節三七」などと呼び、鎮咳や去痰、鎮止血、健胃作用があるほか、吐血や気管支炎、打撲にも利用。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax notoginseng
(Burkill) F.H.Chen. パナックス・ノトギンセング[南のginseng種の]〔Panax pseudoginseng var. notoginseng (Burkill) G.Hoo & C.L.Tseng〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  サンシチニンジン(三七人参)、デンシチニンジン(田七人参)、キンフカン(金不換)、サンシツ(山漆)、pseudoginseng,Chinese ginseng, notoginseng, three-seven root, mountain plant
特徴・利用 
中国南部原産。雲南省~広西チワン族自治区が産地。多年草。草丈60 cm。「サンシチニンジン」の名は収穫まで3~7年かかることに由来。16世紀の『本草綱目』に初出し、止血や活血などの血流改善に用いられる。ジンセノサイドなどのサポニンを含有。近年では肝・腎機能改善、抗心血管疾患、抗炎症、抗ガン、免疫賦活、鎮痛など多くの作用が研究されている。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax pseudoginseng Wall. パナックス・プセウドギンセング [ginseng種に似た]〔Aralia pseudoginseng (Wall.) Benth. ex C.B.Clarke〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ヒマラヤニンジン、ネパールニンジン、pseudoginseng, Nepal ginseng, Himalayan ginseng
特徴・利用 
ヒマラヤ山脈のチベット南部~ネパールに分布。Panax bipinnatifidus Seem.との混同が見られるので注意。止血や鎮痛作用があるとされるほか、高コレステロールや高血圧、前立腺がんなどへの適用も試みられている。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax quinquefolius L. パナックス・クインクエフォリウス[5葉の]〔Panax americanus (Raf.) Raf.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  アメリカニンジン(亜米利加人蔘)、American ginseng、西洋参(セイヨウジン)、西洋人参(セイヨウニンジン)
特徴・利用 
北米東部原産。多年草。草丈40 cm。掌状複葉で小葉は3~5枚。果実は赤熟する。ジンセノサイドなどのサポニンを含有。アメリカンインディアンは根と葉を薬用とした。中薬では「西洋参」などと呼び肺疾患などに用いる。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax trifolius L. パナックス・トゥリフォリウス[3葉の]〔Aralia trifolia (L.) Decne. & Planch.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) dwarf ginseng, ground nut 
特徴・利用 
北米東部原産。多年草。草丈20 cmと小型。掌状複葉。種小名は小葉3枚に由来するが5枚も見られる。果実は黄色。根を茹でて食用に。冷めるとナッツの味がする。サポニンを含有し、薬用とされる。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax vietnamensis Ha & Grushv. パナックス・ウィエトゥナメンシス[ベトナムの]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) ベトナムニンジン、ンノップリン(NgọcLinh)、Vietnamese ginseng 
特徴・利用 
ベトナム中央部のンノップリン山(NgocLinh)で1973年に発見された。栽培するとサポニン含量が低下するなどの問題があるため、ベトナムでは国を挙げて特産品としての研究開発や栽培に取り組んでいる。

属名 Panax (パナックス属、トチバニンジン属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Panax zingiberensis C.Y.Wu & Feng パナックス・ジンギベレンシス[ショウガ属の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) ginger ginseng, 姜状三七、jiang zhuang san qi 
特徴・利用 
中国雲南省固有種。多年草。草丈60 cm。種小名は根が水平に伸びてショウガの根茎のように見えることから。葉は3~5枚の小葉からなる掌状複葉。薬用とされる。

属名 Chengiopanax(ケンギオパナックス属、コシアブラ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Chengiopanax sciadophylloides (Franch. & Sav.) C.B.Shang & J.Y.Huang ケンギオパナックス・スキアドフィルロイデス [sciadophyllum種の様な]〔Acanthopanax sciadophylloides Franch. & Sav., Eleutherococcus sciadophylloides (Franch. & Sav.) H.Ohashi〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  コシアブラ(漉油)、ゴンゼツ(金漆)、アブラコ、コサブラ、コサブロウ、ゴンゼツノキ、ゴンズイ
特徴・利用 
日本固有種。北海道~九州の日本海側に自生。落葉高木。樹高10 m。葉は掌状複葉で小葉は5枚。「コシアブラ」の由来は「樹脂を漉す」のほか、新潟の「越後」、中国の「越」などの産地名とする説がある。フイリコシアブラ(斑入漉油)と呼ばれる斑入り品種もある。春先の新芽が山菜利用されるほか、木材がけずり花などの伝統工芸品や玩具に加工される。奈良、平安時代には金漆(ごんぜつ)と呼ばれる、冬季に茎を傷つけて得られる樹脂が塗料とされた。

属名 Dendropanax(デンドロパナックス属、カクレミノ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Dendropanax trifidus (Thunb.) Makino ex H.Hara デンドゥロパナックス・トゥリフィドゥス[3中裂の]〔Aralia mitsde Siebold, Hedera japonica Jungh., Textoria trifida (Thunb.) Nakai ex Honda〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  カクレミノ(隠蓑)、カラミツデ(唐三手)、テングノウチワ(天狗の団扇)、ミツデ(三つ手)、ミツナガシワ(御綱柏)、ミソブタ(味噌豚)、ミゾブタカラミツデ(溝豚唐三手)、ミツノカシワ・ミヅノカシワ・ミツノガシワ(三角柏)
特徴・利用 
日本原産。関東南部~九州の沿岸部の高木下に自生。常緑樹。樹高3 m。3本の葉脈が特徴。葉は全縁、3裂、5裂が混在。『古事記』や『日本書紀』にも記載され、古くから葉を神事に酒器として使用。神社や茶室脇に植栽される。白い樹液を「黄漆」と呼び家具や団扇の塗料とする。樹液にウルシオールを含有するためかぶれに注意。

属名 Kalopanax(カロパナックス属、ハリギリ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Kalopanax septemlobus (Thunb.) Koidz. カロパナックス・セプテムロブス[7浅裂の]  亜種:Kalopanax septemlobus subsp. lutchuensis (Nakai) H.Ohashi(リュウキュウハリギリ)  品種:Kalopanax septemlobus f. maximowiczii (Van Houtte) H.Ohashi(ケハリギリ)
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ハリギリ(針桐)、ヤマギリ(山桐)、センノキ(栓の木)、ミヤコダラ(都桵)、テングウチワ(天狗団扇)、castor aralia, tree aralia
特徴・利用 
東アジア原産。北海道を中心に日本全土に自生。落葉高木。樹高25 m。「ハリギリ」の名は棘があって葉が桐に似ていることから。若い枝には刺があるが次第に瘤に変わる。新芽を山菜に。薬用として根皮を痰、打撲傷、リウマチなどに、樹皮をリウマチによる筋肉痛、腰脚痛などに用いる。建築、家具、楽器(ギター、和太鼓)、仏壇、下駄、賽銭箱等に木材利用。アイヌの丸木船原料。亜種のリュウキュウハリギリ(琉球針桐)はダラギとも呼ばれ沖縄固有種。品種のケハリギリ(毛針桐)はハリギリよりも高所に分布、葉の背軸面全体に毛が密生。

属名 Oplopanax(オプロパナックス属、ハリブキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Oplopanax japonicus Nakai オプロパナックス・ヤポニクス[日本の]〔Aralia faribuki Siebold ex Miq., Echinopanax japonicus Nakai〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ハリブキ(針蕗)
特徴・利用 
日本原産。北海道~四国に分布。落葉低木。樹高 1m。雌雄異株。茎葉に刺がある。根皮に芳香がある。根皮を解熱、鎮咳に用いる。新芽を山菜利用。

属名 Oplopanax(オプロパナックス属、ハリブキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Oplopanax horridus (Sm.) Miq. オプロパナックス・ホッリドゥス[恐ろしい]〔Echinopanax horridus (Sm.) Decne. & Planch. ex Harms, Fatsia horrida (Sm.) Benth. & Hook.f.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) アラスカニンジン(Alaskan ginseng)、デビルズクラブ(devil’s club)、devil’s walking stick、アメリカハリブキ(亜米利加針蕗) 
特徴・利用 
北米北部原産。アラスカ~オレゴン~ミシガンに自生。落葉低木。樹高1.5~3 m。茎や葉柄は細い棘で覆われる。果実は赤熟。アメリカンインディアンが茎を湿布や風邪、糖尿病、関節リウマチなどに利用するほか、戸口にぶら下げて魔除けにしたり、樹皮を乾燥粉末にして消臭に用いたり、果実をつぶして洗髪に用いたりする。

属名 Tetrapanax(テトゥラパナックス属、カミヤツデ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Tetrapanax papyrifer (Hook.) K.Koch 
テトゥラパナックス・パピリフェル[紙を持った]
Aralia papyrifera Hook., Panax papyrifer (Hook.) F.Muell.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  カミヤツデ(紙八手)、ツウソウ(通草)、ツウダツボク(通脱木)、rice-paper plant
特徴・利用 
1属1種。台湾~中国原産。常緑低木。樹高 3~7m。園芸品種の‘Rex’は半常緑灌木で、氷点下で落葉する。幹の髄から通草紙が作られ造花の材料とされた。

属名 Fatsia(ファトゥシア属、ヤツデ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Fatsia japonica (Thunb.) Decne. & Planch. ファトゥシア・ヤポニカ[日本の]〔Aralia japonica Thunb.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) ヤツデ(八手)、テングノハウチワ(天狗の羽団扇)、
Japanese aralia, glossy-leaf paper plant, fatsi, paperplant, false castor oil plant 
特徴・利用 
日本原産。関東以南に自生。常緑低木。樹高5m。葉は掌状で若葉は丸葉なのが次第に3~11裂に奇数に深く切れ込む。名称はヤツデだが8裂の葉はない。庭木として普及。葉を乾燥させた生薬は「八角金盤(ハッカクキンバン)」と呼ばれ、鎮咳、去痰に作用があり、煎剤を内服またはうがいで用いるほか、リウマチに浴湯料とする。魚毒性のあるサポニンを含有するため川に投げ込んで漁に用いられた。

属名 Fatsia(ファトゥシア属、ヤツデ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Fatsia oligocarpella Koidz. ファトゥシア・オリゴカルペッラ[少数の心皮の]〔Boninofatsia wilsonii Nakai〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ムニンヤツデ(無人八手)、ハビラ
特徴・利用 
小笠原固有種。ハワイにも帰化。常緑低木。樹高2~4 m。葉は掌状で、葉先が5~7裂する。ヤツデよりも葉の欠刻が浅く丸みがある。

属名 Fatsia(ファトゥシア属、ヤツデ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Fatsia polycarpa Hayata ファトゥシア・ポリカルパ[果実の多い]〔Diplofatsia polycarpa (Hayata) Nakai〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) タイワンヤツデ(台湾八手)、
many-fruited aralia 
特徴・利用 
台湾固有種。常緑低木。樹高4 m。葉は掌状で、葉先が7~9裂する。ヤツデよりも葉が細い。園芸品種の‘Green Fingers’を中心に観賞用に供される。

属名 Gamblea(ガムブレア属、タカノツメ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Gamblea ciliata C.B.Clarke ガムブレア・キリアータ [縁毛の] 〔Acanthopanax evodiifolius var. ferrugineus W.W.Sm.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) ガムブレア・キリアータ 
特徴・利用 
ネパール、インド北部、ミャンマー、ブータン、中国中南部、ベトナム北部に分布。樹高12 m。薬用や木材に利用される。

属名 Gamblea(ガムブレア属、タカノツメ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Gamblea innovans (Siebold & Zucc.) C.B.Shang, Lowry & Frodin ガムブレア・インノウァンス[新梢を有する、発芽する]〔Eleutherococcus innovans (Siebold & Zucc.) H.Ohba, Evodiopanax innovans (Siebold & Zucc.) Nakai〕  変種:Gamblea ciliata var. evodiifolia (Franch.) C.B.Shang, Lowry & Frodin
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) タカノツメ(鷹の爪)、イモノキ(芋の木) 
特徴・利用 
日本原産。北海道南部~九州に自生。落葉高木。樹高15 m。雌雄異株。「タカノツメ」の名は冬芽が鷹の爪に似ていることから。なお、トウガラシの品種にも‘鷹の爪’があるので注意。「イモノキ」の名は落ち葉が焼き芋の香りのすることから。コシアブラ同様、新芽を山菜として利用。木材は薪や炭、箸、楊枝、マッチ、経木などに利用される。

属名 Hedera(ヘデラ属、キヅタ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hedera canariensis Willd. ヘデラ・カナリエンシス[カナリア諸島の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ヘデラ・カナリエンシス、カナリーキヅタ、オカメヅタ(阿亀蔦)、Canarian ivy
特徴・利用 
カナリア諸島原産。常緑つる性植物。ヘデラ・ヘリックスよりも大型で葉につやがある。和名のオカメヅタは葉の形がおかめに似ることによる。不定根でよじ登り、高さは最大50 mに達する。斑入り品種もあり、緑化資材に用いられる。葉が小型のものはヘデラ・ヘリックス同様、観葉植物として人気。

属名 Hedera(ヘデラ属、キヅタ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hedera helix L. ヘデラ・ヘリックス
[螺旋状の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ヘデラ・ヘリックス、アイビー、セイヨウキヅタ(西洋木蔦)、ivy, common ivy, English ivy, European ivy
特徴・利用 
欧州~西アジア原産。常緑つる性植物。西洋で古くから壁面緑化などに用いられる。日本でも斑入りや葉色、葉形の異なる多くの品種が流通しており、これらの品種を中心に観葉植物として人気。気根を出してよじ登り、高さ30 mにも達する。黒熟する果実は鳥に食べられて種子が拡散する。

属名 Hedera(ヘデラ属、キヅタ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hedera rhombea (Miq.) Siebold ex Bean ヘデラ・ロムベア[菱形の]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  キヅタ(木蔦)、フユヅタ(冬蔦)、Japanese ivy
特徴・利用 
日本原産。北海道南部以南に自生。常緑つる性植物。気根を出してほかの樹木や岩場に這い登り、高さ40 mにも達する。葉は単葉で互生する。果実は液果で黒熟する。

属名 Hydrocotyle(ヒドゥロコティレ属、チドメグサ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hydrocotyle moschata G.Forst. ヒドゥロコティレ・モスカータ[麝香の香りのする]〔Hydrocotyle sibthorpioides Colenso〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  チドメグサ(血止草)、lawn marshpennywort, lawn pennywort, lawn water-pennywort
特徴・利用 
東南アジア原産。本州~沖縄に自生。多年草。関東以北では冬期落葉。匍匐茎で広がる。雑草としてよく見かける。「チドメグサ」の名は収れん作用があり止血に用いられることに由来。民間薬として、生葉を揉んで、傷口に塗って止血に用いるほか、歯痛、打撲に外用。チドメグサ属はクロンキスト分類体系以前はセリ科に分類されていた。チドメグサはセリ科のツボクサに似ている。

属名 Hydrocotyle(ヒドゥロコティレ属、チドメグサ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hydrocotyle javanica Thunb. ヒドゥロコティレ・ヤワニカ[ジャワの]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) オオバチドメ(大葉血止)、Java pennywort 
特徴・利用 
東南アジア~北東インド原産。関東以西~奄美大島に自生。多年草。多年草。チドメグサよりも葉が大きく、山地の日陰に生える。

属名 Hydrocotyle(ヒドゥロコティレ属、チドメグサ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hydrocotyle ramiflora Maxim. ヒドゥロコティレ・ラミフローラ[花序分枝した]〔Hydrocotyle maritima Honda〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) オオチドメ(大血止)、ヤマチドメ(山血止)、ノチドメ(野血止) 
特徴・利用 
東アジア原産。日本各地に自生。多年草。葉の上に高く花序が出る。ノチドメ(H. maritima)を別種とする考えもある。

属名 Hydrocotyle(ヒドゥロコティレ属、チドメグサ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Hydrocotyle ranunculoides L.f. 
ヒドゥロコティレ・ラヌンクロイデス[Ranunculus属に似た]
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  ブラジルチドメグサ、floating marshpennywort, floating pennywort
特徴・利用 
南北アメリカ原産。湿生多年草。日本では水草として輸入されたものがエスケープして生態系に害を及ぼすとして、特定外来生物に指定されている。熊本、大分、福岡、岡山での移入が確認されている。
アクアリウム等での観賞用の水草として人気のアマゾンチドメグサ (Hydrocotyle leucocephala Cham. & Schltdl.) は近縁別種。

属名 Schefflera(スケッフレラ属、シェフレラ属、フカノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Schefflera arboricola (Hayata) Merr. スケッフレラ・アルボリコラ[樹上生活の]〔Heptapleurum arboricola Hayata〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) シェフレラ、カポック、ホンコンカポック、ヤドリフカノキ(宿り鱶の木)、dwarf umbrella tree, umbrella shrub, star leaf, Hawaiian elf schefflera, Hawaiian elf 
特徴・利用 
台湾、中国海南島原産。常緑照葉樹。樹高9 m、時にほかの植物に着生して20 mになることも。観葉植物として利用。斑入り品種もある。シュウ酸カルシウム結晶による中毒があり、ペットなどで注意が必要。カポックの名称は「綿」を意味するインドネシア語のkapukが語源で本来はパンヤやキワタなどのパンヤ科植物を指すので注意。

属名 Schefflera(スケッフレラ属、シェフレラ属、フカノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Schefflera heptaphylla (L.) Frodin スケッフレラ・ヘプタフィッラ[7葉の]〔Schefflera rubriflora C.J.Tseng & G.Hoo〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  フカノキ(鱶の木)、アサグラー、トゥージンキ
特徴・利用 
東アジア~東南アジア原産。九州南部~沖縄に分布。常緑高木。樹高5~最大15 m。葉は互生する掌状複葉で小葉は7~11枚。海岸付近の森林に自生。葉を牛の飼料や水田の緑肥に。木材を下駄やマッチの軸、砂糖樽などに加工。台湾では庭木に。民間療法では樹皮や根皮を風邪、喉痛、関節痛、骨折などに用いる。

属名 Schefflera(スケッフレラ属、シェフレラ属、フカノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Schefflera actinophylla (Endl.) Harms スケッフレラ・アクティノフィッラ[放射状の葉の]〔Brassaia actinophylla Endl., Heptapleurum actinophyllum (Endl.) Lowry & G.M.Plunkett〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) ブラッサイア(brassaia)、Australian umbrella tree, Queensland umbrella tree, umbrella tree, octopus tree, amate, ivy palm 
特徴・利用 
豪州、ニューギニア原産。常緑高木。一般名のブラッサイアは旧属名から。生育には13℃以上が必要。木の先端に長さ2 mにも達する細い総状花序を最大20本出すのが特徴。赤花が1,000個も着く。観葉植物として利用され、RHSのガーデンメリット賞を受賞。

属名 Schefflera(スケッフレラ属、シェフレラ属、フカノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Schefflera taiwaniana (Nakai) Kaneh. スケッフレラ・タイワニアーナ[台湾の]〔Agalma taiwanianum Nakai〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み)  Taiwanese schefflera,hardy umbrella plant, Taiwanese umbrella tree
特徴・利用 
台湾原産。常緑低木。樹高4 m。生育には氷点下5℃以上必要。観賞植物。RHSのガーデンメリット賞を受賞。

属名 Schefflera(スケッフレラ属、シェフレラ属、フカノキ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味]/
〔主なシノニム〕
Schefflera digitata J.R.Forst. & G.Forst. スケッフレラ・ディギタータ[掌状の]
Aralia schefflera Spreng.〕
一般名(ない場合は学名のラテン語読み) pate, seven finger, umbrella tree 
特徴・利用 
ニュージーランド原産。常緑樹。樹高8 m。pateはマオリ語。マオリ族は樹液を皮膚疾患に用いるのほか、木材を着火剤に利用。観賞用造園樹木。生育には氷点下8℃以上必要。

当協会理事
木村正典 きむらまさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第58号 2021年12月